スマート・テロワール with 山形大学
地域と共同で研究する「庄内スマート・テロワール 」
東北ハムは現在、山形大学農学部が地域(鶴岡市)と共同で研究する産学官連携事業「庄内スマートテロワール」の中心的役割を担っています。
「庄内スマートテロワール」とは株式会社カルビー元社長の故松尾雅彦氏の著書「スマート・テロワール」を実践することを目的に、山形大学農学部に寄附講座を開設したことを起源としています。
庄内スマートテロワールは「スマートテロワールが目指す美しい未来とは」をテーマに、農と食を地域の中で循環させ、持続可能な循環型食糧自給圏を作るための仕組みであり、農業の持つ可能性を引き出し、農村を活力あふれる場へと変えていくことを目指しています。
スマートテロワール を構築する『4つのピース』
この「持続可能な循環型食糧自給圏」を構築するために4つのピースで事業を行っています。
- 【耕畜連携】 耕作放棄水田等を畑作化し、畑作農家と畜産農家が連携して農畜産物を生産
- 【農工連携】 農業者と加工業者が連携して地域産原料から美味しい加工食品を製造
- 【工商連携】 加工業者と小売店・外食産業が連携して加工食品を製造販売
- 【地産地消】 消費者ニーズに合わせた加工食品を地域の消費者に提供する
このように庄内スマートテロワールは「農と職の循環型農村経済圏(食糧自給圏)」の構築に向けたシナリオを策定しています。
東北ハムの、スマート・テロワール に向けた商品開発
この取り組みの中で、東北ハムは、地元の農家が栽培した農産物(じゃがいも・大豆・小麦・とうもろこし・)を食べて育った山形大学農学部高坂農場並びに羽黒の畜産農家が肥育した豚肉を加工する役割を負っています。
製造するアイテムは
「熟成ロースハム」
「熟成ベーコン」
「あらびきポークウインナー」 の3種類です。
これらの商品の開発に当たり、この事業を提唱した松尾氏の指導により、
- トップシェアの商品と同等の品質および美味しさで、
- トップシェアの商品より三割安い価格を実現する
という命題を課されました。
東北ハムはこの命題をクリアするべく試作研究にあたり、スーパー店頭で山大学生が行ったモニター検査によるアンケートのデータを元に改良を重ねた末に、一般社団法人食肉科学研究所の美味しさ検査でトップシェアの商品を上回る検査結果を得るまでに品質を上げることに成功しました。
その後も山形大学の学生を中心に試食販売を行ってPRに努め、お陰さまで現在は地元スーパー「主婦の店鶴岡店:パル店」「酒田ト一屋:みずほ店」2店舗限定で、隔週の週末に店頭に並べるとすぐに売切れするほどの売れ筋商品に育ちました。
今後も山形大学を中心に地域の農家や企業、消費者の皆様と協力することによって【耕畜連携】【農耕一体】【地産地消】の循環型社会が形成できる日を夢見て、東北ハムは「庄内スマートテロワール」事業の中核としての役割を果たしていきたいと思います。
資料提供 『庄内スマート・テロワール推進協議会』