学校給食への取り組み
学校給食の歴史
鶴岡の学校給食は、明治22(1889)年に始まりました。その後、給食の提供は58年間にわたって継続され、昭和29(1954)年には、全国の小学校で学校給食が開始されました。
鶴岡では、昭和40(1965)年に山形県内で最初の学校給食共同調理場が設置され、鶴岡市内の小中学校全38校で学校給食が始まりました。それと同時期に、学校給食の食材を供給することを目的として、鶴岡地区食肉協同組合が発足しました。
弊社は、食肉協同組合を介して半世紀以上にわたり、ハムやソーセージなどの食肉加工品を学校給食の食材として納入してきました。学校給食の食材として納品しているのは、ハム、ベーコン、ウィンナー、フランクフルトなどです。一般の商品と違って、発色剤(亜硝酸ナトリウム)や保存料(ソルビン酸)などの添加物は使用していない、無塩せきと呼ばれるものです。
原料には、国内産の食肉を使用しており、塩分も1・2%で調整をしています。鶴岡市学校給食センターと藤島ふれあい食センターに合計9,500食、櫛引、あさひ、あつみの給食センターも含めると、11,000食の食肉加工食材を納入しています(平成28年度時点)。鶴岡市では年に2回、「オール鶴岡産給食」という日があります。その日には、山形産の食肉を使用した食肉加工品を納入しています。
安心・安全へのこだわり
昭和60年頃、無塩せきの商品を納入してほしいという要請がありました。今でこそ珍しくない無塩せきハムや無塩せきウィンナーですが、当時は従来のものと切り替えるのに大変苦労しました。 そもそも無塩せきとは、発色剤(亜硝酸ナトリウム)や保存料(ソルビン酸)などの添加物を使用しない製法のことを指します。本来ハム・ソーセージに添加物は必要不可欠で、使用しないものはハム・ソーセージとは似て非なるものだという意見もありました。 しかし、食品添加物は見た目や保存性の向上を目的としている為、本来食品には不要な成分なのです。『食品を見わける』などの著書を持つ食品コンサルタント、磯部晶策氏は、「食品づくりの四条件」「食品づくりの四原則」を提唱しました。
- 安心して食べられること
- ごまかしのないこと
- 味のよいこと
- 品質に応じた買いやすい価格
- 原材料の厳選
- 加工段階の純正
- 時代環境に曲げられない一徹な姿勢
- 消費者との関係重視、つまり99%消費者との立場の自覚
磯部理念に基づき、試行錯誤を重ねた結果、今の給食ウィンナーが完成しました。子供たちに、安心・安全で、ごまかしのない食肉加工品を提供しています。
また、この給食ウィンナーを作る技術は、他の無塩せきの商品に生かされています。今、弊社で販売されている無塩せきハムや無塩せきソーセージなどは、学校給食で培われた無塩せきのノウハウから生まれた商品です。
50年余にわたって学校給食に携わってきた経験と実績があるからこそ、時代のニーズに応えられる商品が生まれたと感じています。